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障害年金の判定状況はじめて明らかに

お知らせ,医療・福祉等に関する情報

 9月10日、日本年金機構は2019年度の障害年金に関する決定件数を公表しました。新規、再認定での支給・不支給と等級、診断書種別、都道府県ごとの内訳などの数字が出されたのです。2018年に受給者に対して突然の「支給停止」の通知が送られて問題になった際、守る会をはじめとした障害者団体が、支給判定の透明性を求めてきたことのひとつが実現しました。

【公表されたデータについて】(図表は資料にもとづき守る会作成)
<全体について>

 全体として、1年間に新規で裁定を受けたのは115,400件、再認定は270,708件で、そのうち障害種別ごとでは、精神障害・知的障害が最も受給者が多いこがとわかりました。また、等級では2級の割合が多くなっています。(3級と手当金は厚生年金のみ)

※上表の件数は、支給件数。また1人の受給権者が複数枚の診断書を用いている場合があり、合計数は実際の決定件数の合計と一致しない。

 

 再認定については、厚生労働省はセンターへの一元化前の受給者は、同じ診断書であれば「従前の判定を尊重する」という見解を出していますので、非該当の件数は少なくなっています。
 問題は新規申請です。全体でも、10人に1人以上が非該当になっており、障害基礎年金ではその割合も多くなっています。等級も1級受給者は少なく、基礎では2級、厚生では3級の割合が高くなっています。

(診断書種別後の結果)
 注目すべきは「診断書種別」で支給されている割合と等級についての傾向の違いがあることです。
精神障害・知的では支給率が高いのですが、同程度に支給率の高い肢体、聴覚、眼などの障害に比べると極端に1級の割合が少ないのがわかります。また、内部障害全体で支給割合が低いのですが、等級はいずれも2級の割合が多くなっています。
 循環器疾患で非該当の割合は他の障害に比べて非常に高く、申請に対して受給できたのは4割にも届かない状況です。

明らかになったことと今後の課題
〇私たちの運動で、これまで不透明だった障害年金の判定状況が、詳しく数字で出されるようになりました。公的な制度であるのに、今まで実態が明らかにされてこなかったこと自体が不正常なことであり公表は当然のことです。引き続き制度の透明性を求めていきたいと考えています。
〇地域毎の判定結果の違いも見て行かなければなりません。循環器疾患だけを単年度で見ても、人数が少ないため地域差が生じているのかはわかりませんが、今後、毎年の数字を累積していくことで傾向を明らかにしていくことも必要です。
〇今回もっとも明らかになったのは、障害種別によっての違いが生じていることです。この結果が障害者の生活実態と見合ったものになっているのか?それぞれの障害ごとに検証していくことで、制度全体が大きく改善していくことにつながります。そのためには、他の患者・障害者とも「障害年金の認定問題」を一緒に考えていくことが重要です。
〇私たち心臓病者にとっては、日ごろから感じていた「受給が厳しい」状況が公の数字で明らかになりました。これを今後の運動の力にしていくことが大事です。具体的には、今回の成果を踏まえながら、どのよう人たちが申請を却下されているのか、具体的な判定内容を根拠に検証していくことです。障害年金制度を心臓病者の所得保証制度として正しく機能させていくために「生活実態アンケート調査2018」を活用しながら、心臓病者の生活と認定のずれを指摘して、認定基準や判定システムの見直しを求めていくことは大事な課題になっています。

▼全文は厚生労働省ホームページをご覧ください。
障害年金の業務統計等について(厚生労働省・社会保障審議会の資料)
障害年金業務統計(日本年金機構がまとめた一覧表)

認定医の問題もあります。
 障害年金の支給・不支給、等級の判定は日本年金機構の障害年金センターで行われます。「認定医」は全部で150人ほどですが、循環器専門医は5人しかいません。
 共同通信の記事によると、日本年金機構は、2019年7月に判断がむずかしかったり専門的な医学判断が必要な事例に専門性のある他の医師に判断を求める仕組みを導入しました。2人の医師が支給判定したケースのうち、約4割は2人の医師の判定結果が異なっていたそうです。しかし複数の医師が判定する件数は全体の1%にも満たないとのことです。
 守る会では、認定医に子どもの心臓病の専門医を含めて欲しい、判断に迷う場合には診断書を書いた医師に照会を行って意見を聞いて欲しいと要望しています。

 

 

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