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千葉の病院だより②(千葉市立海浜病院 小児科・成人先天性心疾患診療部 部長 立野 滋 先生)

お知らせ,医療・福祉等に関する情報

2回目の病院だよりは、千葉市立海浜病院の立野先生です。海浜病院は2018年に成人先天性心疾患外来を開始しましたが、今では県内の成人先天性心疾患の拠点病院となっています。海浜病院のホームページは、小児科の移行期医療の説明(立野先生のインタビュー)、心臓血管外科の手術の解説など、丁寧でわかりやすいので是非一度ご覧になってください。

◆千葉市立海浜病院 病院概要
・住所:千葉県千葉市美浜区磯辺3-31-1(JR京葉線「検見川浜駅」からバス10分)
・ホームページURL:
https://hospital.city.chiba.jp/kaihin/(病院)
https://hospital.city.chiba.jp/kaihin/department/section/pediatrics/(小児科)
https://hospital.city.chiba.jp/kaihin/transitional_medicine/(移行期医療)
https://hospital.city.chiba.jp/kaihin/department/section/cardiovascular/(心臓血管外科)          

前回のこのコーナーを執筆した千葉県こども病院の中島弘道先生から、こども病院卒業後の移行先として紹介いただきました。
成人先天性心疾患の患者さんに対応する当院の取り組みをご紹介いたします。
1984年の開院時に、千葉市立病院(現千葉市立青葉病院)より新生児センターを移転、現在も周産期医療と小児科急性期医療に力をいれ、24時間体制で救急医療に対応しています。
心臓病に特化することなく、総合病院として胎児から高齢者まで、多様な疾患にも対応できることも特徴です。
ただ潮風による施設の劣化が激しく、遅くとも2025年までに幕張新都心における新病院へ移転予定となっています。

先天性心疾患の外科手術も1990年よりしばらくは行っていました。
しかし千葉県こども病院での手術件数の増加、千葉県循環器病センターでの先天性心疾患外科手術の再開に伴って、当院での手術は行われなくなりました。
1990年年代に心臓外科手術成績が安定し、成人になる先天性心疾患の患者さん、とりわけ重症の成人先天性心疾患患者さんが急増しています。
そのため千葉県こども病院を卒業したあと、都内の病院に管理をお願いすることも多くなりました。
重症の患者さんや高齢の方が、遠距離の病院に通う負担は大きく、急変時の対応も大変であることから、海浜病院において2018年より成人先天性心疾患外来を開始、2020年より先天性心疾患の外科手術を再開、2021年に成人先天性心疾患診療部を開設しました。
個人的には1990年と1992年に働かせていただいていたので、27年ぶりに海浜病院に戻ってきたことになります。
幸いにも多くの診療科に親しい医師もおり、昔なじみの看護師さんも多く、懐かしさも感じています。

先天性心疾患を専門とする医師は8名おります。
寺井 勝院長は現在も心臓病の診療を続けています。
私は小児科と循環器内科の外来で、それぞれ小児から成人までを診させていただくとともに、今年から不整脈治療のカテーテルアブレーションも開始しました。
髙田 展行医師と鋪野 歩医師は、小児の循環器患者さんの診療を中心に、幅広く小児一般の診療にも携わっています。
循環器内科の小永井 奈緒医師は、肺高血圧症や心臓病患者さんの妊娠・出産を中心に、成人先天性心疾患診療部に参画していただいています。
また聖路加国際病院の丹羽 公一郎顧問にも週に1回の成人先天性心疾患外来を担当いただくとともにさまざまな指導をいただいています。
心臓血管外科の杉本 晃一先生と椛沢 政司先生は先天性心疾患を中心とした外科手術をお願いしています。

心臓チームは垣根なく迅速に情報共有して診療にあたっていますが、成人期は心臓以外の病気の治療を必要とすることも多く、海浜病院の総合力を活かしながら、新病院にむけてさらに充実した診療体制を作っていく努力を続けております。

千葉の病院だより