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千葉の病院だより①(千葉県こども病院 循環器内科 副病院長 中島 弘道先生)

お知らせ,医療・福祉等に関する情報

(千葉県支部報 12月号より)
このコーナーでは、千葉県内の循環器の先生に病院の紹介をしていただきます。
千葉県は東京の病院に通院されている患者さんも多くいますが、会員の皆様にもっと県内の病院を知ってもらい、より身近に感じていただくための企画です。
不定期の連載になるかもしれませんが、できるだけ多くの先生の声を届けていきたいと思います。
1回目は小児専門病院として、千葉県の小児医療の中心的な役割を果たしてきた「千葉県こども病院」の副病院長・中島弘道先生です。

◆千葉県こども病院 病院概要
・住所:千葉県千葉市緑区辺田町579-1(JR外房線鎌取駅からバス10分)
・開院:昭和63年10月
・ホームページURL:https://www.pref.chiba.lg.jp/kodomo/

皆さま、こんにちは。千葉県こども病院循環器内科の中島弘道です。
 こども病院は千葉市緑区にあり、開院して約30年たちますが、心臓外科手術開始から約3500例以上の患者さんの手術を行ってきました。
 生後すぐに治療が必要な赤ちゃんは、産科から直接依頼されるか地域の新生児科で発見されて緊急搬送されることがほとんどでしたが、最近では胎児期に発見されることも増えています。
当院では千葉大学病院の産科と定期的なカンファレンスを開催し、胎児エコーを共有し、出産前にご家族に説明し出生後の治療計画を立てています。
胎児エコー外来(石井徹子先生)もありますのでお問い合わせください。
このような手術の必要な先天性心疾患を治療できる病院は、千葉県にはほとんどなく県全域から患者さんが紹介されてきます。
 また当院は千葉県の小児循環器専門施設群の代表として県内の小児心臓の先生方と定期的なカンファレンスを行なっています。
 当院の強みは小児専門病院としてそれぞれの専門家がいることです。
心臓だけでなく様々な合併症がある場合には他科とも協力し、治療することが可能です。
また小児病院として、専門的な病気の治療だけではなく、こども達がより良い人生を歩むためのサポートをすることも大事な役割です。
 在宅ケアが必要な子達の支援、また虐待対策ネットワークとして県の中心としての活動も行なっています。
入院したこどもと家族のために多職種からなる「かるがも支援」と称するチームが家庭や社会状況を含めての支援を行なっています。
通院が滞っている患者さんがいると医師、看護師、MSWを含め皆で心配し家族に連絡するなど、成人病院と比べるとやや「お節介」なところがあるかもしれません。
 こどもから大人になる「成人期への移行」も当院ではサポートしています。成人移行支援室があり、専属の看護師もおります。
病気とどのように付き合っていくか、社会に出るための不安などなんでもご相談ください。
 こども病院は残念ながら大人の病気は得意でなく、成人になると大人の施設にお願いすることがほとんどです。
今までは千葉県循環器センターがそのような病院として有名でしたが、現在では千葉市立海浜病院にその役割がシフトしつつあります。
 当院の循環器診療の中心は、今は部長の東浩二先生となっており、私自身は病院管理業務のために皆様にお会いできないことも多くなりました。
しかし赤ちゃんの時に手術をしたこども達が元気に過ごしている姿を見ることが大きな喜びであり、外来でお会いすると子供達がどんどん成長していく姿に驚かされます。
この子達がこれからもうまく病気と付き合いながら素晴らしい人生を歩んでいくことを願ってやみません。

千葉の病院だより